[COMPASS member vol.1]従来の教育のあり方を破壊し尽くす。シリコンバレーで起業していた私が、日本に戻りエドテック(教育×テクノロジー)ベンチャーを創業した理由

COMPASS を支える個性豊かなメンバー紹介を行っていく[COMPASS member]シリーズ第1回は、COMPASS 代表CEOの神野のインタビューです。異色な経歴から人工知能教材Qubena(キュビナ)を開発するに至った経緯と、今後のビジョンをとことんお話いただきました。

プロフィール

神野元基(じんのげんき)/代表取締役CEO

慶応義塾大学総合政策学部在学中より起業し、大学を中退。2011年にシリコンバレーで起業したことをきっかけに人工知能のもたらす未来の世界と教育について関心をもち日本に帰国し学習塾を起業。その中で、教育の壁にぶつかり2015年にQubena開発に着手する。

株式会社COMPASSに入る前

生い立ち

私は北海道の網走というところで生まれました。小学校の頃に図書室で偉人の伝記を読み漁り、偉人たちのエピソードを知って、「正しい生き方って何だろう」と考えるような子どもでした。

中学生になると、社会の在り方にも疑問を持つようになりました。たとえば警察官は駐車違反の切符を切っています。路上駐車がよくないことはたしかですが、それは人が生きる上での高度なルール。本当はそれらを守る前に、人を殴るなとか、人を殺すなというような最低限のルールを守らないといけない。ベーシックなところを変えるにはどうすればいいのかと考えて、政治や教育にも関心が広がっていきました。

そんな中出会ったのがインターネットでした。網走という地方の町で育ったので、部屋のPCがインターネットにつながった瞬間、一気に世界が広がった気がしました。当時は小さな掲示板がたくさんあって、外国の人や東京の人、九州の人ともコミュニケーションができました。

そうした体験を重ねていくうちに、世界ではさきほど言ったようなベーシックなルールがまだ守られていないことがわかったし、それを守れる世の中にするのが僕の人生かなと考えるようになりました。世界とつながったことで考えが変わったというより、より固まった感じです。

ポーカーで世界19位に、そしてシリコンバレーへ

数学が得意だったので、試験科目が数学と小論文だけという点を活かして慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス(SFC)に入学しました。SFCで知り合った友人は変人ばかりで、ものすごく救われました。まわりが変人ばかりなので、自分が変人っぷりを爆発させても目立たないんです(笑)。

ここなら何でも好きなことをできると考えて、ポーカーに目をつけました。ポーカーの醍醐味はプレイヤー同士の心理戦で、自分のためにあるゲームという気がしたんです。10ヵ月後、世界大会に出場し、世界中から集まった数千人の中で19位となることができました。

その後は、以前より自分のテーマだった“人間はどう生きるべきか”を追求するために、米国シリコンバレーに向かいました。テクロノジーは、人の生き方や生活を大きく左右します。

当時、自分で電子出版の会社もやっていたほどテクノロジーに興味があり、どうせなら本場のシリコンバレーで勝負してみようと思いました。

シンギュラリティとの出会い

シリコンバレーで起業して、Webカメラでユーザーの表情を認識し、感情を計測するエンジンを開発しました。やりたかったのは、感情の差異を解析することです。

例えば国を跨ぐコミュニケーションの場合、同じ事柄なのに感情の差異があり、コミュニケーションがうまくいかないことが世界にはごろごろしていて、それが、諍いの元にもなっている。

これをシステム的に解析して、コミュニケーションの補助をしてあげたら、みんなもっと仲良くなれると思いました。 そんな中、友人がシンギュラリティについて話しているのを聞きました。

“シンギュラリティ(Singularity)”とは、技術的特異点のことで、人工知能が人間の能力を超えるときのことです。それは2045年だとされており、このころまでには現存する職業の99%は人工知能がやるようになると予測されています。

これを知って、私は自分のミッションに少しだけ変更を加えることにしました。これから“シンギュラリティ”に向かう時代に生きる子どもたちに、このことを伝えなくてはならない、そしてそれを生き抜く力を身につけさせなければならないと思ったのです。

学習塾で感じたジレンマと、Qubenaの開発

すぐに日本に帰り、八王子で学習塾を開きました。やりたかったのは、子供たちに“未来を生き抜く力”を伝えること。

しかし、成績が上がらないと親は塾をやめさせてしまいます。ならばと、まずは成績が上がる塾にすることにしました。

子どもたちの個性に合わせた指導で、塾は地域で一番の評価を得るまでになりました。しかし痛感したのは、成績アップに時間を取られて未来について学ぶ時間がとれないということ。

調べてみたら集団指導では50分ある授業の内、一人当たり5分しか意味のある時間が無いと分かりました。残り45分間は、全然意味が分からないか、既に知っていることです。

だとしたら、すべての時間を使えれば10倍の速度で学習できるんじゃないか。そのためのツールを作って、子どもたちを暇にしてあげよう。そして、余った時間で未来を生き抜くために必要な事を教える。 そこで、“Qubena”を作ることにしました。

“Qubena”は、人工知能を使ったタブレット用の教材。問題を解くのに時間はどれだけ掛かったか、どういう順番で解いたか、つまずいたのはどこかなど、生徒の解答プロセスやスピード、正答率などのありとあらゆる情報を人工知能が収集、蓄積、解析する。

そして、それぞれの生徒に最適な問題を出し続けることで、効率よく、確実な理解度で学習を進めることができます。導入実験では、通常14週間かけて行う1学期の授業が2週間で終わり、受講者全員が学校平均点を上回る結果となりました。

実に、7倍の速さです。この“Qubena”を使って学習効率を高めて時間の余裕を作り、そこで未来を生き抜く力を学ぶ環境を創出するため、2015年10月に東京の三軒茶屋に数学専門の学習塾「Qubena アカデミー」を設立しました。

現在

株式会社COMPASSの代表取締役CEOとして、教育のあり方を根本から変えることに挑戦しています。

現在は、Qubenaだけを使った学習塾「Qubena アカデミー」を運営する一方で、全国の学習塾にQubenaを導入していただく、ということもしています。

教科としては、まず数学のコンテンツから始めています。僕が数学好きだったこともありますが、それ以上に大きいのは、いち早く全世界に届けられるから。英語や社会は国によって内容が大きく変わりますが、数学は国ごとの差がほとんどありません。

もっともシステム自体は教科を問わないので、他の教科のコンテンツも制作中です。他の教科に関しては、英語、理科、社会だけでなく、プログラミング教育も視野に入れています。

サイエンス、テクノロジー、エンジニアリング、マスマティクスの頭文字をとって「STEM教育」といい、今後はSTEM教育の重要性が増すと考えています。

今後どういうことをしていきたいか

私たちの現時点の目標は世界の子供たちに圧倒的な学習効率で勉強できるプロダクトを届け、従来の学校教育のあり方を破壊し尽くすこと。

しかし、それだけではありません。私たちの目線の先には、地球上の人々が笑顔に満ちた明るい未来の姿があります。Qubena アカデミーはその威力を証明するためのモデルケースであり、塾の拡大に興味はありません。

最適化教育が行き渡れば、先進国では子供たちが非効率な学校教育から解放され、未来に備えるための時間が生まれる。後進国においては、知の底上げを図り、貧困や争いをなくす。これを1日でも早く成し遂げたいと思っています。

株式会社COMPASSには、この目標を本気で実現させたいと思っているメンバーが集まっています。まだ小さな組織ですが、全員がミッションに対して当事者意識を持って、役割を越えて活躍しています。

COMPASSでは、一緒に働く仲間を募集中です。ご興味を持っていただいた方は、ぜひ下記リンクからご応募ください。ご応募お待ちしております!

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